2019.05.08

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「サウンド・ピクニック」ワークショップ

こんにちは、クリエイティブラボのイシイです。

弊社では、2017年より体験を通じて未来のクリエイターを育てるワークショップ「FUTURE FACTORY」という活動を続けています。FUTURE FACTORYは、

手を動かしながらものづくりを行う体験の中に感性や感覚がアップデートされるキッカケを創り、磨かれた感性や感覚を活かした発想や思考をクリエイティブを通じて体現できる人材を育てていく活動

としていて、現在は主に子供向けのワークショップを実施していますが、「未来のクリエイター」は子供だけでなく、弊社社員も含んでいます。

そのため、普段FUTURE FACTORYの活動を支えてくれているスタッフや社員に向けても、定期的に「感性や感覚がアップデートされる」機会を作るようにしています。

今回は、去る2019/04/17に社内向けに開催した、「サウンド・ピクニック」ワークショップを紹介したいと思います。

「サウンド・ピクニック」ワークショップ実施背景

「サウンド・ピクニック」ワークショップは、楽器インタフェース研究者の金箱淳一氏が原案のワークショップで、昨年の2018/06/12に金箱さんを弊社にお招きして、FUTURE FACTORYの活動に携わってくれているスタッフ向けとして、社内で「サウンド・ピクニック」ワークショップを企画・実施しました。


(左)金箱淳一氏 / (右)2018/06/12に開催したときに作成したレコーディングキット

この昨年に実施した「サウンド・ピクニック」ワークショップが、FUTURE FACTORYで掲げている活動テーマにピッタリであったため、金箱さんにFUTURE FACTORYでも「サウンド・ピクニック」のワークショップを開催したい旨を打診したところ快諾いただき、元のワークショップのベースを残しながらリメイクさせていただいたものが、今回社内向けに実施したFUTURE FACTORYリメイク版の「サウンド・ピクニック」ワークショップです。

「サウンド・ピクニック」ワークショップでのねらい

FUTURE FACTORYリメイク版の「サウンド・ピクニック」では、

聴覚のアップデート。環境の再認識。例えば空調の音など、気にしなければ認識しない音は多数存在する。人間の脳や耳はその場で発生している環境音を含め、必要以上の音を認識し過ぎないようにフィルタリングをかけている。そういった聞き流してしまいがちな音に着目し直すことで、普段の身の回りの音への認識を高めると共に、他の人がなぜその音に着目したのかを共有することで、音自体だけでなくその人自身への新たな発見や興味を喚起する。また、誰もが興味を抱く機会を作ることにより、自分の考えや意見を発表する鍛錬の場とする。

というねらいを表向きに掲げたワークショップとして開催しましたが、その他にも

  • 人それぞれによって音の感じ方、捉え方、考え方が違うということを再認識することによる多様性の認知の機会創出
  • 普段ソフトウェアやブラウザを扱っているスタッフ向けに、ハードウェアやものづくりを体験してもらうことで、クリエイティブの範囲や感性を高めてもらう

といったこともねらいとして実施しています。

「サウンド・ピクニック」ワークショップの構成

今回実施した「サウンド・ピクニック」ワークショップは、以下のような構成で実施しました。
ここでは、簡単に各フェーズでどんなことをしたのかを紹介していきます。

イントロダクション

普段、身の回りで発生している「音」に着目し、音の触れ方・感じ方が、人それぞれによって異なるということ、作曲家レーモンド・マリー・シェーファーが提唱する、音の風景を意味する概念「サウンドスケープ」について触れます。

レコーディングキットづくり

フィールドワークとプレゼンテーションで使用するレコーディングキットを、はんだづけをしながら作成します。まずはいきなり本番のキットのはんだづけは行わず、動画を見たりしながら練習用の素材を使ってはんだづけに取り組んでみます。

前回同様、今回のワークショップでも参加者のほとんどの人が、はんだづけは中学校や高校の授業で触れたくらいなので、少し思い出しながら、また懐かしみながら皆ではんだづけの練習を行い、本番用のキットのはんだづけに移っていきます。

キットのはんだづけが終わったら、今度ははんだづけしたキットをレーザーカッターで切り出したボードに取り付けていき、レコーディングキットを完成させます。

フィールドワーク

レコーディングキットの使い方を覚えたら、今度はフィールドワークを行います。フィールドワークでは、作業部屋を飛び出し、色んな音を探してみて、その中で自分が一番興味を惹かれた音を録音してきてもらいます。

プレゼンテーション

音の採取が終わったら、今度はプレゼンテーションです。プレゼンテーションは

1. 採取してきた音を発表してみる

2. 何の音かをみんなで考え、当ててみる

3. 採取してきた音が何であったかを伝える

4. なぜその音に興味を持ったのかを発表する

5. ディスカッション

といった流れで一人づつ行っていきます。このプレゼンテーションを通じて、何気なく存在する音への興味や関心につながると同時に、その音を採取してきた「人」への興味・関心も高まります。

ラップアップ

最後のまとめフェーズです。今回作成したレコーディングキットを通じ、参加者全員で「あそぶ」ことを可能にしたこのキットの位置づけや、音の捉え方や感じ方が人それぞれ異なる、という観点をもう少し掘り下げて、音への興味をより深めていき、ワークショップを閉じます。

「サウンド・ピクニック」ワークショップを終えて

ワークショップ時間が想定よりも長くなってしまい、進行や下準備のところではまだまだ改善点もありますが、参加者全員が無事にレコーディングキットを作り上げることができ、プレゼンテーションの時間も「共遊」することができました。

ワークショップ後にいただいた感想でも「楽しかった」「また参加したい」「このワークショップを通して自分の感覚が変わったと感じた」などの嬉しい意見がたくさんあがり、参加者の方々にも何かのキッカケとなるワークショップとなったのではないかと思います。

この「サウンド・ピクニック」ワークショップは、今後も社内向けに実施していく予定ですが、「体験を通じて未来のクリエイターを育てるワークショップ」のひとつとして、社外での実施もしていきたいと考えていますので、もしご興味を持っていただけましたら、ぜひともFUTURE FACTORYのサイトよりお問い合わせください。

この記事を書いた人 :
イシイ

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