2015.08.10

  • 人×技術

映像クリエイティブ『SESSION』を制作してみました

こんにちは。ミニドローンがペットみたいに見えてきたイシイです。「次回は実際に手動・自動を組み合わせたコンテンツを作成してみたいと思います」という宣言通り、前々回前回のエントリーで作成したアプリケーションを使って、クリエイティブまで制作してみました。2分ちょっとの動画なので、ぜひ観てみてください。

作成した映像クリエイティブ『SESSION』

ドローン制御用アプリケーションaddon:ofxTimeline / Copyright (c) James George and YCAMInterLab
Released under Creative Commons Attribution-ShareAlike 4.0 International License.

ドローン制御用アプリケーション内フォント:Let's go Digital font / Copyright (c) WolfLambert
Released under Ubuntu Font License 1.0

ドローン制御用npmモジュール:rolling-spider / Copyright (c) 2015 Jack Watson-Hamblin 2015 Chris Taylor
Released under the MIT license

撮影に向けて

ドローンを音楽にあわせて自動制御したシンクロダンス映像を作ってみる、というのは元々ドローンのエントリーを書き始めた頃から考えていたことなのですが、ミニドローン自体の筐体が小さいため、シンクロダンスをただ単に引きの映像で撮って流すだけだと面白くならなそうだったので、ちゃんとした撮影をどこかにお願いしようかなと思っていたところ、たまたまタイムリーに「イシイさん、お久しぶりです!お元気ですか?」とnoaddの浦野さんから連絡が飛んできたので、これも何かのご縁かなと思い、noaddさんと一緒に映像を作成することにしました。偶然というか、浦野さんの嗅覚には脱帽です。

クリエイティブの方向性を考えるにあたって

昨今、ドローンというものがなんとなくネガティブな扱いになっている感を受けていて、やっぱり見たこともない触ったこともない状態で情報だけから受けてしまう印象というものを払拭したい、という思いがありました。そこで、「テクノロジーをもっと身近に」という大きなテーマのもと色々な案を出して、どのように撮影しようかと練っていましたが、最終的にはギミックなどにこだわりすぎずに、純粋にシンクロダンスを形にして表現することで、ドローンって結構すごいやつかも、って思ってもらえるような方向性にしてみようということにしました。実は、撮影前のコンテの段階では、エキストラの皆さんがドローンを操作するシーンは想定していなくて、撮影しながら急遽そうしたシーンを取り入れることにし、前々回のエントリーでテストで作っていたTouchOSCで操作できるアプリを使って皆さんに遊んでもらいました。エキストラの皆さんも撮影当初はドローンに対して「怖い」「危ない」というイメージを持たれていたのですが、自分で飛ばしてみたりしたことで、撮影終了時には「かわいく見えてきた」と言っていたのが印象的で、結果として撮影時間はどんどん増えてしまいましたが、目の前で飛んでいたドローンを実際に操作して楽しそうにしているシーンが入ることで、『SESSION』というタイトルにより近いクリエイティブに仕上がりました。

コンテのドローンもカワイイ!?

クリエイティブはやっぱり楽しい

撮影が毎回夜中までかかってしまったり、編集のときもイシイがnoaddさんに訪問させてもらってゾーンプレスばりに張り付いて「ああしてください」「ここはやっぱりこうしてください」と何度も何度も修正をお願いして結局夜中までお邪魔させていただいたりと、ホントに色々ムリをお願いしてしまっていましたが、「いいクリエイティブを作ろう」という想いで一緒に取り組んでくださったnoaddメンバーの皆様には本当に感謝です。もちろん、「こうしておけば良かった」「失敗したな」というシーンも多々ありますが、エキストラの皆様の生の反応や楽しそうにしてる姿を見れたこと、そして同じ方向を向いてたくさんの人と一緒に制作に取り組むことができたのは、大変だったけどやっぱり楽しかったです。

撮影や動作調整テストをしながら思ったこと

今回のドローン飛行のように、場所や環境に応じたパラメータの調整をしなければならない場合には、都度ビルドしたり値を変えて起動しなおしたりするようなやり方をしているととても非効率で、特に今回のようにバッテリー問題との時間勝負のような環境ではなおさらだなと痛感しました。なので、TouchOSCを使ったときにパラメータをいじれるようなスライダーを設置したように、アプリケーションを起動したままその場でパラメータをいじってテストと調整のサイクルをまわせるようにしておいたり、環境ごとのパラメータ情報をXMLなどに保存・読み込みできるような仕組みにしておくと、そういったことにも臨機応変に対応しやすい、ということがわかりました。現場系の取り組みでは、いかに当日の利用イメージを持っておくか、バックアッププランをどれくらい持っておくか、といったことを気にしながら作りこみをしておくことの大切さを身を持って体感でき、今後の取り組み方にも非常に為になる体験になりました。

最後に

noaddの皆様を始め、弊社スタッフや撮影班の方々、エキストラの皆様、色々な方の協力があって今回のようなクリエイティブ制作を行うことができました。この場をお借りして御礼させていただきます。本当にありがとうございました。これからもこういった取り組みを色々な方たちと続けていきたいと思います。

この記事を書いた人 :
イシイ

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