たびたびしばしば噂されるトイレの妖怪。

トイレを訪れた際、使用中のためドアが閉ざされていた、
という状況は誰れしも経験があるはずだが、
長時間開かないドアについては、妖怪の仕業の可能性が高い。

日本古来からの言い伝え「八百万の神」はトイレとて例外ではなく、
なるほど、神がいるなら妖怪がでてきてもおかしくはない。

さて、トイレのドアが閉ざされている状況において、
一般的な人間のとるべき行動は、
その場でうずくまって待つ、頃合いを見計らって出直す、
二者択一で分岐すると考えられる。

ここで問題視すべきは後者の選択であり、
そもそも頃合いを見計らうための手段に乏しい。
頃合いを見計らった振りをして再び訪れたところで、
そこには非情な現実が待ち受けているだけである。

ただし、この非情な現実、
頃合いを見誤った結果として一括りにするには早計過ぎる。
長時間開放されていないだけ、すなわち妖怪の仕業だという、
もう一つの要因が可能性がこの頭をよぎるのだから。

故に、ここでは当事象に関与するトイレの妖怪、
もとい妖怪/立篭に立ち向かった一喜一憂の思い出を記していく。

調査

まずは、対象となる妖怪/立篭の情報を整理する。

名は体を表す以上、立て篭もることは必然必至。
一方、長時間とは具体的にどれだけの時間を示すのだろうか。

過去実施された全国調査によれば、
トイレに要する平均時間は5分程度と言われている。
この結果に対して概ね納得できるが、
では、倍の10分篭ったら妖怪なのかと言われると疑問が残る。
お腹の緩さは妖怪の証、ではない。

20分、いや30分なのか、はたまた1時間なのか、
私だけではとても判断しきれず、周囲への調査を行うことにした。

調査1

調査方法は極々単純、
上図の iPad アプリを用意し、投票を求め各席を渡り歩く方式とした。

調査2

各位のご協力に感謝いたします。

「この概念は人の意志で決まるべきものなのか」
一見、こう懐疑的に捉われがちだが、
現実に目を背けず考えることで、とても理にかなった方法だと明言できる。

妖怪とは人の心の闇なのだから。

調査3

闇は深い。

制作

自身が妖怪でないことは自明であるため、
多分に害した気を取り直し、1時間以上の立て篭りで妖怪と判定することにした。

ここから妖怪を探知するための仕組みを作っていく。

発信機

発信機

トイレの各ドアへ設置。
リードスイッチで開閉を検知し、無線子機として発信する。

受信機

受信機

ご飯よりもPANDA サーバ。
無線親機として受信し、各ドアの開閉に白黒つける。

プログラム

プログラム

ご飯よりもPANDA の状態を監視する Web インターフェース。

各ドアの開閉状態については、ブラウザへ即時反映させるため、
別途ソケットサーバと通信するようにした。
また、無線機のシリアルポート値は Redis へ溜め込み、
画面右下の D3.js グラフへ適用させた。

なお、補足として挙げておくが、私はご飯派である。

稼動

前項の制作物を組み合わせ、稼動状況を下記に示す。

あとは、1時間閉ざされた時点で妖怪として判定を下せばよいのだが、
妖怪の出現は最重要事項であり、いかなるときでも迅速に知る術を用意しておきたい。

これに対応すべく、システム上からは、
各種 SNS で通知する(API)、メールを送る(Amazon SES)、
チャットで呼びかける(HUBOT)、電話をかける(Twilio)、狼煙を上げる(自家製)、
あらゆる手段を駆使し通知を試みることにした。

残念ながら悪天候のため、狼煙を上げることだけは叶わなかったが、
その他をもって反撃の狼煙とする、その誓いを胸に全システムを起動。
正常な動作を確認すると共に、極めてウザいことも確認した。

終局

この鬱陶しさの要因は一体どこにあるのだろうか。
無論、多方面からの同時通知がその対象であることは明らかだが、
それだけでは不十分であり、問題の本質は探知したその後に潜む。
妖怪を探知したところで対処のしようが無いのだ。

取り急ぎ、卓上のぬいぐるみに相談したものの、
ここへ来てご飯派とパン派の確執が顕となり反応が無い。

妖怪に対して向き合うには、あまりにも無謀で無策、
にも関わらず騒ぎ立て、他を妖す存在。
これではどちらが妖怪なのかわからなくなってくる。
そして iPad に映る「お前が妖怪73%」。

お見通しか。